鉄板より便利?プラスチック敷板の特徴と選ばれる理由
長く工事現場で活用されてきた敷鉄板。最近は、敷鉄板の代わりにプラスチック敷板を使う現場も増えてきました。とはいえ、「プラスチック敷板を使うメリットって何だろう?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?そこで本記事では、プラスチック敷板のメリットを解説します。
プラスチック敷板を使用するメリットの1つは、費用が削減できることです。地盤養生としてよく使用される敷鉄板と比較してみます。
敷鉄板を使用する際にかかる費用はつぎのとおりです。
- ①敷鉄板の購入またはレンタル費用
- ②運搬費
- ③敷設作業員の人件費
- ④敷設時に使用する重機の購入またはレンタル費用
プラスチック敷板を使うことで削減できるのは主に②と④の費用です。なぜでしょうか?
運搬費
■敷鉄板
敷鉄板の場合、1枚の重さは4×8で約500kgもあります。10tトラックの積載は約10tですので、一度に運べるのは20枚まで。5x10サイズの敷鉄板の重さは約800kgで、敷鉄板のサイズが大きくなると、重さも増えるため、一度に運べる枚数はもっと少なくなります。たった数枚運ぶだけなのに、トラック1台貸切らなくてはいけないのです。
30枚、40枚と必要な敷鉄板の枚数が増えればその分、トラックは何往復もする必要がありますよね。
■プラスチック敷板
プラスチック敷板なら、1枚の重さが39kgなので、10tトラック1台で200枚以上運べます!敷鉄板よりも大幅に運搬費を削減できますね。


敷設時に使用する重機の購入またはレンタル費用
■敷鉄板
敷鉄板は1枚数百kgありますので、クレーン等の重機を使わないと動かせません。そのため、敷設時に使用する重機の購入またはレンタルの費用がかかります。
■プラスチック敷板
プラスチック敷板は、1枚の重さが39kgなので、人の手で持つことができます。敷設のために重機を購入したりレンタルしたりする必要がないのです。

門型ピン

平板金具(2枚用)

平板金具(4枚用)
現場の地面が舗装されていない土の状態で連結するなら、門型ピンというコの字型のピンを、敷板の連結穴に差し込み、上からゴムハンマーで打ち込んで使用します。現場が長期間になる場合には、定期的に上から打ち込むか、平板金具の使用を推奨しています。
現場の地面が舗装されている、または長期間の現場で連結する場合には、打ち込まず敷板同士だけを連結する平板金具を使用します。
プラスチック敷板なら連結する際に溶接は不要で、連結金具を使う際でも敷鉄板の連結よりも手間と時間が少なくて済みます。
敷鉄板
敷鉄板は長年にわたって工事現場で活用されてきましたが、残念ながら敷鉄板による重大事故も数多く起こってしまっています。
- 敷鉄板をクレーンで吊って移動中に、クレーンのフックから敷鉄板が外れ落下、作業員が下敷きになる
- 敷鉄板をクレーンで吊って移動中に敷鉄板がずれ、作業員の足に当たる
- 敷鉄板の上を車両が走行した際に敷鉄板が跳ね上がり、作業員が鉄板と鉄板のあいだに足を挟まれる
- 敷鉄板とクレーンのフックの間に指を挟まれる
敷鉄板はクレーンで吊る必要があることや、1枚あたり数100kgの重さがあることから、命にかかわる事故が起きてしまう危険性も高いです。
プラスチック敷板
プラスチック敷板で代用できる現場であれば、プラスチック敷板を使用することで、敷鉄板による事故をなくすことができます。もちろんプラスチック敷板を使用する場合にも安全管理が必要ですが、人の手で敷くことにより、クレーンを使用した事故は減らすことができますね。
プラスチック敷板を使うメリットについてお伝えしました。是非一度、プラスチック敷板の使用を検討してみていただければと思います。